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古い営業マンの思い出

SEとしてとあるパッケージを扱ってます。もう僕がそのパッケージを扱いだしてから20年ちょい経ちます。結局このパッケージは世界的に有名なソフトになっていったので食いっぱぐれる事もなく(サラリーマンだからってのもありますが)結構な売上を持つ部署に居続けることができております。

フリーランスとかではなくて、企業と企業によるシステム開発や改修の金額は驚くほど高いです。安くても1000万円位の売上、システム再構築とかになれば20億円とかの規模になったりします。驚くほど動く金額が大きいんですよね。まぁ、先にも書いたようにサラリーマンですので月収は変わりませんが。

Business eigyou man

昔話を思い出したので書いてみようと思います。

ある時、結構有名な会社が僕の部署が扱っているパッケージをすでに使っており、「改造したい」みたいな要望を営業さんが取ってきたのでヒアリングに付いていくことになりました。

僕は当時の課長と一緒に行ったんですよね。その営業さんとは初めて会ったんですけれど、なんかちょっと高そうなお菓子を手に持っており「あぁ、お客様のところに行くのにお菓子を持っていくって聞いたことがあるんだけれど本当にあるんだな」なんて思っておりました。

営業は僕たちに会うなり「長い付き合いのお客だから安くしてくれよ、よろしく」的な事を言ってきました。いやいや、ぼったくるつもりは無いけれど見積もりは見積もりだからそんなに易々と安くすることなんて出来んよ。って思ったんですよね。

その後営業に連れられてお客様先へ。お客様の要望はおおよそ理解できてちょいと難しいけれど似た事例があったので見積もり精度は結構高められたんですよね。
ちなみに、僕たちの仕事ではお客様に(正式な依頼なしで)金額を言うことはタブーとされております。「大体xxくらい(超概算見積もりとか言ったりします)」も禁物。
きちんとした手順を踏んで部署内で見積もりレビューを受けた後、営業から金額を提示すると言う工程を取ります。

今回は金額がそこまで高くなかったのでレビューはすんなり通ったように覚えています(それでも2000万円くらいでした)。

しかしその金額に営業はブチ切れたようで「そんな金額ありえない。こんな金額をお客様に出したら今までの(営業とお客様の)関係が壊れてしまう」のような文章を長々とメールで送ってきました。簡単に言うと営業からのクレームです。

「うーむ、とは言え見積もり根拠もあるし」とか思っていたら、課長が「見積もり金額は正しいし、これを安くする方がリスク。このパッケージの相場もあるしこの金額が出せないお客様なら、このパッケージのビジネスの相手としては切っても良い」と言うメールを営業に返してくれて、まぁ営業との関係性は悪くなりましたが、事なきをえました。

おそらくですが、その営業さんは”そのお客様とは色々とビジネスをしてきた”と思うのですが、数十万円〜数百万円のビジネスだったと思うんですよね。 当時はPCを売るとかもしていたので。そんな中で単価200万円のSEなんてのは到底信じられなかったのでしょう。パソコン1台20万円。人間1ヶ月200万円。そりゃー「高すぎる!」とも言いたくなるでしょう。わかりますよ。自分の給料と顧客に提示する金額が違い過ぎますからね。

またお客様にも決裁権と言うのがあって、職制にもよりますが大体1000万円以上だと上の決裁が別途必要になったりします。

このパッケージに関して他の部署の営業さんとかは顧客の予算感を持ってSE側に「大体いくら位が顧客予算」とかって教えてくれるんですね。なので金額の乖離が小さくなりますし、こちらも色々と前提条件をつけて金額を落とすことができます。

今思えばその営業さんは定年間近だったし昭和の時代では「営業の見本のような人物」だったのかもしれません。
でも、時代は変わります。

今では、お客様先に伺うときにお菓子を手土産に持っていくことも少なくなってきたと聞きます。
古き良き文化もありますが、時代は色々と変わっていくんですよね。

こと最近は”人情”ってのはビジネスではなくなりつつあります。どれだけ長い付き合いがあっても競合で負ける事だって平気であります。

「男はつらいよ」は名画ですが今の世の中では成立しません。

難しい世の中ですが変化に付いていけないと厳しいのが仕事の世界です。
僕も、若手に長文のクレームメールを送らないように気をつけて生きていこうと思います。

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