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『〜してあげたのに!』と言う発想は危険ですよ。

「あなたの事を思ってしたんだよ」って言われた事ありませんか?それで上手くいくこともあれば、「余計なお世話じゃ!」って思った経験ってあると思います。

また逆の立場で、困っている人、悩んでいる人に対して「せっかくあなたの事を思って、〜してあげたのに!」って思ったことありませんか。
あくまでも親切心からの話なんですけれど…。

「◯◯さん、何か悩んでる?私でよければ相談に乗るけれど」なら全然問題ないんです。
でも、「◯◯さん、悩んでるよね、この本読むと良いと思うよ!」みたいな感じだとちょいとやばいんです。

なぜかと言うと、その人が(この場合)その本を全然読んでいなかったら…。
「せっかく、悩んでるからその悩みを解消できそうな本を教えて”あげたのに!”」って言う発想に変換されてしまうんですよね。まぁ、それが本心(深層心理での思い)だったりします。

この”してあげたのに”と言う発想は、
・押し付けの発想
・見返りを求めている
と言う二つの問題を孕んでるんです。

特に『見返りを求めている』ってのが厄介で『私は〜〜してあげたのに、なんで私には〜〜してくれないの?』って発想が根底にあるんですよ。

等価交換と言うか、例えば『前に10万円貸したことがあるから、自分が困った時は10万円までは貸してくれるはずだ!』みたいな発想です。

ありふれた例で言うと『誕生日にプレゼントしたから(してあげたから)、自分の誕生日にはプレゼントを貰える(はず!)』と言うのもそうですね。

ちょいと下衆な話になりますけれど、男女関係で男がある女性を射止めようとしていたとします。高級レストランを予約し、最高の夜景での食事。もちろん代金は男性が全て持ちます。その高級レストランの上の階にはホテルがあり、良い部屋もおさえているとしましょう。

食事もドルチェになり、その後併設のショットバーで数杯お酒を飲みます。そして意を決して男性はルームキーを見せて、「どう?この後」と言い出します。そこで女性は「明日早いから帰るね。ご馳走様」と早々と帰ってしまったとしましょう。そこで男性が「えぇ!ここまでやって”あげたのに”帰っちゃうのー!」と見返りを求めたら…。その人はきっとモテません。高額の食事代とホテル代を支払い一人でホテルで寝る訳です。ざまぁ。

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基本的に、「見返りを求めない」と言う考え方がスマートだし後々楽なんですよ。

 

これって、仕事と友情、恋愛で色々と変わってきます。

仕事の場合はストレートで、「仕事を教えた(教えてあげた)のに、なんで覚えてくれないの!?」ってのは見返りの対象は”会社の組織としての仕事”です。なので、これは仕方ない。見返りの対象が自分個人では無くて”会社への貢献”なんですよね。

要は、見返りの対象が誰になるか?って所がポイントだと思います。
・自分自身
・所属する会社
・信仰する宗教

自分自身はまぁパーソナルな範囲。友情関係が壊れるか「そこまでの仲だったのね」って感じで済みます。個人的には親友であればあるほど”見返り”は求めない方が良いです。

所属する会社の場合は、人財の育成なので、見返り(仕事を覚えてもらう)はあって当然。逆に「別に君が仕事を覚えなくても俺はちっとも困らないけれど、後々困るのは君自身だよ」って感じで突き放したりします。

最後のがちょいと厄介。見返りの対象が宗教の場合、「私が信仰する宗教に反する考え方なの?!」って言うふうに飛躍しがちです。

芸能界では、某学会がそう言う傾向にあるそうで、その場合、「私がxx学会の素晴らしい本を薦めたのになんで読んでくれないの?xx学会が嫌いなの?」って言うところから、いわゆる”干す”とか”共演NG”になったりするそうです。そうか、そうか、そうなのか…って感じですね。めんどくせぇ。

ちょっと横道に外れてしまいましたが、「〜してあげたのに」って発想で人と接してると、色々と生きる上で辛いですよ、って話です。

これに対する考え方の極論は”人に期待しない”です。人に期待しない人生は実に楽です。「できなくて当たり前。できたらラッキー」みたいな発想。でも、それって凄いつまらない人生ですし、”期待しない=信用しない”って発想にもなりがちです。

やっぱり、人間関係ってのは大事です。
見返りは求めないけれど、期待はする。失敗したら一緒に問題解決をして、成功したら目一杯褒める(一緒に喜ぶ)。

最近、在宅やリモートワークなどを皮切りにコミュニケーションは無駄(最低限で良い)って言う風潮になりつつあるように思います。
でもね、やっぱり人間関係は面倒だけれども、それでも人が好きなんですよ。

そうやって、見返りを求めずにみんなで良い方向を暗中模索する。そんな生き方、悪くないと思いますよ。

では。

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