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OS X無償化にみる、Appleの戦略と強み

2013/10/22(火)の深夜にAppleの新製品発表会がありました。僕も夜更かしして、Appleのストリーミング配信を見ながら、有志での同時通訳を聴いていたのです。

まず、iPadとRetina化のiPad miniは大体判っていたのですが、今回正式リリースされるであろう、OS Xの最新版、マーベリックスに興味がありました。最初はプレゼン、そして、「Today」、Appleお得意のプレゼンを見た直後から利用可能と言うエクスペリエンス、さらにびっくりしたのは価格です。ついに「Free」。無料化してきました。

これには僕も驚きました。

131023 mavericks

今回、OSを始めとして、iWork,iLifeと言った、所謂主要製品が軒並み無料化されました。これに喜んだ人も多いでしょう。

ただこれは、Appleにしか出来ない戦略なのです。

Appleはハードとソフト、両方扱っていると言う強みがあります。

電話機や音楽プレーヤーもハードとソフトとアプリの販売経路を持っています。

さて、少し昔話を。

昔、昔、ソフトが無料と言う時代がありました。まだ、一般家庭や普通の会社にパソコンと言うものが無かった時代。

会社の基幹システムを動かすために、高額なホスト(汎用機とか呼んだりします)のレンタル料の対価としてソフトウェアを作っていた時代。まだまだハードが高かった時代、そのハードを毎月レンタルしてくれれば、会社は成り立ちました。その為にソフトは無料で提供していたのです。

それから、ハードが安くなり構造が逆転しました。PCと言う家庭用コンピューターが流行り出した頃、ソフトウェアを提供していたメーカがMicrosoftです。MS-DOSと言うOSで一世を風靡してから、Windowsでその地位を確固なものにしました。その頃のMacはまだまだ専門職向けの高価なハードでした。Jobsが追放されていた時代です。

そして会社で、一人一台の時代へ。MicrosoftはOSと、事務に必要な基本ソフト(WordやExcelなど)を売り大企業へと発展していきました。デファクトスタンダードを取ったのです。その時代のシステムが今も更新、更新を経て今、生きている訳です。

インターネットの時代になり、Microsoftはますますパワーアップしますが、別の角度からAppleは攻めてきました。

安価でインテリアになるようなデザインのMac、iMacを発表したり、現在の携帯音楽プレーヤーの礎になるiPodを発売しました。そして、iPhoneを発売。

Jobsは企業を見ていませんでした。見ていたのはコンシューマ、個人。

そしてApp Store、iTunesStoreという次世代の収益モデルです。iPhone全盛の今、AppStoreでアプリを買い、iTunesStoreで音楽を買えるようになりました。こういうビジネスは立ち上げから本流に乗せるまでに時間がかかりますが、Appleは見事にこれをやってのけました。

ソフトと音楽。どちらもデジタルデータで複製にコストはかかりません。いわば、在庫を持たない卸業で利益率の高い商売です。

これは、まさに理想の会社のあるべき姿なのです。さらに、ソフトと音楽をAppleが開発する必要は無いのです。さまざまな個人がアプリを登録すると、AppStoreに乗り、それが売れるとAppleにいわば手数料、そして、アプリ開発者にギャランティーが入ります。MacとiPhoneがある限り、なにをしなくても継続していくビジネス。これも理想の会社です。

Microsoftには真似が出来ません。

ただ、他のソフトウェアメーカー(音楽ソフトや画像編集ソフトなど)は高性能のアプリをApp Storeで販売することで色々なモノ(流通費など)を省くことが出来るのです。今回の戦略は長期的に見たMicrosoft潰しにも見えます。Microsoftの強みは、Officeソフト位しか既に価値がないのです。後は企業システムがWebシステムに移行すればMacでも仕事はできます。

とはいえ、Appleも無料にするとは言えOSなどは保守も必要だし開発費もバカになりません。でも、それらを回収しても利益が出ているからできる技なのでしょう。 ついに、Appleがその地点に達したからだと思います。 (あと、邪推に考えるとこの分野ではもう新しいイノベーションが見受けられないと判断したのかも?)

ココまではジョブズのストーリーにありそうですけれどね。今回の「Free」、これがAppleの勝利宣言に見えて仕方在りません。

正直、Microsoftは数の理論で生き残っているだけです。Webアプリも増えている昨今、10年後にはどうなっている事やら。

AppleはApp StoreとiTunesStoreでそれぞれCD,DVDのパッケージ販売を駆逐してしまうのでしょうか?それは結果として企業では無く、個人を対象として。

Microsoftは今は、法人しか見れてません。個人に訴えかける絶対的なセンスが無いのです。

次なるターゲットは本だろうと僕は思っています。 インディペンデントの出版が簡単になり製本、取次が駆逐される時代。誰でも本を出せて印税を受け取れる時代。

確かに紙の本はまだまだ需要があると思います。ただ、Kindleなどの電子書籍端末が増えているのも事実。iBooks,NewsStandが何処まで伸びるかがクック船長に残された課題なのでは?と思って仕方ないのです。

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