2024年から2025年にかけてパチンコ・パチスロ屋の閉店ラッシュが続いています。
パチンコ・パチスロの遊技人口が減っている現状、業界は客単価を上げる為にハイリスク/ローリターンの台を作り始めました。勿論当たれば大きいですがぶっちゃけ「元取れないわ」って感じですね。
本来、パチンコ・パチスロと言うのはその歴史を辿ると『射幸心』と言う言葉をキーワードに国(厳密には『保安通信協会(通称:保通協)』)とパチンコメーカーがイタチごっこを続けていたように思います。それに巻き込まれているのがお店とお客ですね。
ハイリスクハイリターンの台が出回り始めると保通協から審議が入って『射幸性』を押さえる為に新基準の規制を出します。その結果、新しい規制に対応した台が出始めると「こんなので勝てる訳がない」と言うような台だらけになります。ただこれは最初だけであって、次第に開発者側が規制の穴をくぐり抜けるような台を作り出します。結局は時間とともに規制の抜け目をついて射幸性は高まるようになっているのです。最後の方はハイリスクハイリターンになり……振り出し(新基準の規制)に戻る訳です。
スマホが出て一般的になる前、まだ娯楽レベルのギャンブルとしてのパチンコ・パチスロがありました。SNSとかがない時代、簡単に人と繋がれない時代は小さなコミュニティーで”軍団”を作り、パチンコ・パチスロに興じておりました。僕が会社に入った頃、……もしくはその数年後、パチスロは『頑張れば勝てる』時代であって当時の大学生は授業をさぼって朝からパチスロ屋に並べば(もしくは前日の閉店から並べば)ほぼ勝てたらしく、大学の単位と引き換えに大金を手にしてたそうです。実際に聞いた所では「車が買える位パチスロで勝った」そうです。
パチスロに関しては現在は完全確率を謳っていますが、昔は100ゲーム単位とかに(当たりやすい)ゾーンがあったり天井(ここまで当たらなかったらなんかご褒美あげますわ)が強烈な台があったりするので、ユーザーは攻略本を買って臨んだものです。(ネットでの情報が無かったのでコンビニとかで発売していた紙媒体の攻略本を熟読して知識を身に付けていたと言う事です)
僕が会社に入って20代の頃は都心のビジネス街にはとんでもない数のパチスロ屋が乱立していました。
地元密着型では無いです。サラリーマンというお小遣いを使いやすい人たちが「たまに仕事が早く終わったらちょっと打ってみるか……」と言うような居酒屋感覚の店が多かったと思います。特に神田駅付近で仕事していた時は本当に沢山のパチスロ屋がありました。
当時は仕事が終わって夜の20時30時頃にパチ屋に入店。21時30分位までにささっと4万円位負けたとしてもその時間から当たれば閉店にはちゃんとプラスになる……不思議な時代でした。
時に『4号機』と言うのが席巻していた時代は今のYouTuberのようにプロとしてかなり勝つことはできたのでは無いでしょうか?、……もちろん、大企業への就職を諦めたアウトロー軍団。
むかし関東方面の通勤電車に乗って通勤していた人は停車駅から外を見ると開店前のパチンコ屋に並んでいる人たちを見たことも多かったのではないでしょうか?「ああ言う人にはなってはいけない」と感じたかどうかは人それぞれですが。
さて、その都市のパチスロ屋に対をなすのが、寂れた町の駅前のパチンコ屋だと思います。基本的にここにプロは来ない。設定もイマイチ。でも、地元のご老人の時間潰しの場になっていたような気がします。ザ・地元密着型。大分経つと『低貸し』と言う一般よりも緩いレートで遊べる事ができるようになり、そういうお店が結構ありました。娯楽に飢えた老人は茶飲み友達のようにこの店に集っていたのでは無いでしょうか?
パチンコ屋は冷暖房完備ですし、地元付近にあれば親族が迎えに行くこともできたと思います。
実際、僕が住んでいる町のパチンコ店は朝から晩まで低貸しであそんでいるご老人が沢山おり、お店に併設されている喫煙所は憩いの場所だったような気がします。
でも、このご時世、営業は厳しくなった、と。
パチンコ屋が建っている土地としてはその街の一等地になっているので売却するとなかなかの値段になると思います。
僕が住んでいる町のパチンコ屋は2025年の2月末にいきなり閉店しました。いつものようにお店に併設されている喫煙所でタバコを吸おうと思ったらシャッターが閉まっており「おかしいな?」と思ってお店をのぞくと『閉店』の貼り紙。これに関して地元の飲み屋の経営者に聞いてみたのですがその人も驚いていたみたいなので、本当に”いきなり閉店”だったのかもしれません。
僕個人としては喫煙所が使えなくなる位で特段困る事はないのですが、このお店を憩いの場としていたご老人達はどうなるのかなぁ?と。決して足腰が丈夫な人だけでは無かったので別の店に行くと体力も使うよなぁ……と。
パチンコ・パチスロの1台あたりの金額は年々高くなり新台の頻度も頻度もえげつなく上がっています。そうなるとお店としては新台の入れ替えに大量の資金を必要とします。去年は新札も出たのでお店はお金の投入口を新札対応のものに入れ替えないといけませんでした。結局、その資金はお客様の遊戯代から出てくるわけでそうすると簡潔に言うと『勝てない』状態になってしまいます。そのバランスが崩れるとお店としては経営が出来なくなってしまうんですよね。
なんか若い頃に僕が遊んでいた頃は同じもっと台の息が長かったような気がしてます。入れ替えも少ないので得意な台や好きな台があれば長期間遊ぶ事が出来ました。
パチンコ屋も閉店セールしてほしいですね
駅前がパチンコ屋だらけという時代も異常だと思っていたのである程度数は減ると思ってはいたのですが、地元密着店が無くなるのは寂しくもありますね。喫煙所だけでは無くてトイレを利用してた人も多いと思います。
……結局は保通協とメーカーの都合なんですよね。なんか世知辛さを感じてしまいます。
ちなみに、保通協は”国家公安委員会の指定試験機関”であり、噂では警策OBの天下り先の一つと言われています。あくまでも”噂”とさせていただきます。皮肉なものですね。