ここをクリックしてお気軽にお問い合わせください!

これからのSE業界予想

さて、僕の生業は今の所システムエンジニアですが、僕が経験してきたシステムは下記のような大きなストリームに成っています。

汎用機(ホスト)

CSS(クライアントサーバシステム)

ERPパッケージ

Webシステム(これはフロントがそうなだけであって厳密には除外)

クラウド(これも、サーバの管理負担を削減するだけなので除外)

さて、昔昔、1人に1台のパソコンも無い(家なんかには勿論無い)時代のコンピュータシステムは、ホストと呼ばれる汎用機でした。
当時、汎用機は非常に高価で、ソフトウェアは無料で提供するような時代でした。
(レンタル料金だけで全然利益が出るような、ハードウェアが高価だったからできる時代です。)

そのうちに、1人に1台のパソコンが与えられるようになり汎用機ではなく、クライアント側(PC)にフロントシステムをおき、データ処理をサーバ側で行なうと言うCSSと言う仕掛けが流行りだします。

その頃から、ソフトウェアに対価が発生しSEと言う職種が花形となります。
しかし、イチから作るので、時間とお金がかかるのは事実です。でも、お客様の融通が効きやすいシステムではありました。

そんな時にドイツから現れたのがSAP R/3と言うERPパッケージです。
ERPパッケージとは、会社の基幹業務をすでに準備しており、あとは組織や品目、得意先、仕入先を入力する事ですぐに業務が動くようになると言う夢のようなパッケージでした。

この思想は瞬く間に世界に広がり、基幹業務はSAPが当たり前と言う世界になりました。
勿論、この黒船は日本にも来航します。

ERP

ちょうど、汎用機の保守期間切れなどの都合も相まって、汎用機の基幹業務システムを
SAPに置き換えようと言う動きが出ました。まずは大企業からです。
しかし、大企業であるが故に、SAPの標準機能では物足りなかったんです。
「うちの汎用機では、こうこう言う仕掛けがあって、その機能は削りたくない。」
「画面が使いにくいから、使いやすいように改造してくれ。」
などの声から、SAP導入はR/3と言うERP本体にがつがつ追加機能を作りこみ、結果として歪つなシステムとして出来上がります。
まぁ、その分、追加機能の開発でお金が貰えるので、SIerとしてはウハウハです。
当時、SAPが出来るエンジニアと言うのは日本にあまりいなかったので、高額な単価でお客様からお金を貰う事ができました。(R/3の業務が使えるというだけでコンサルと名乗れた時代です。僕もその口でした。)

そのうちに、「xxのような大企業もSAPを入れているのだからうちも」と言う
動きが出て、ドミノ連鎖のように、日本の大企業はほぼSAPシステムになります。
それを各ベンダーが取り合って、しのぎを削っていた訳です。
・・・これを第一次SAPバブルと呼びましょう。

大企業に入りきった頃、中小企業では、「うちの会社ではちょっと高いんじゃないだろうか?」使いこなせるだろうか?と言った、ちょっとしたバブル崩壊が訪れます。

でも、ご安心を。SAPにはバージョンがあり、定期的にバージョンがあがります。
そうすると、昔のバージョンの保守期限が切れるので、必然的にバージョンアップを
行なわなければいけません。
そこで、バージョンアップを取り合う凌ぎがまた始まるのです。

ちなみに、SAPはバージョンアップにより機能追加はあれ、機能制限される事はありません。
なのでバージョンアップは非常に簡単なはずなのですが、日本ではバージョンアップで
稼げるんです。それは作り込んだ「追加機能」。各会社の”色”を強制的にSAPに入れられているので、追加機能の塊になります。それらのバージョンアップ(及び動作検証)を行なうと言う事でお金がもらえるんです。

本来、SAPのERPは非常にシンプルで導入にも時間がかかりません。バージョンアップも簡単。
・・・これは日本を除く海外の使い方です。海外では、現行業務を捨ててもSAPの業務フローに合わせる方式です。追加機能は帳票位でしょう。

でも、日本は、SAPに現行業務を担保できるように追加機能を追加する。ので、複雑な
システムになってしまいます。

近い未来、SAPは汎用機と同じ扱いとなるでしょう。

そのうちに、新しいシステムやサービスが始まり(それこそIoT)ですね、「あれ、SAPじゃなくても便利で早く安いシステム構築できるんじゃない?」となった時、汎用機からSAPにリプレースしたように、「SAPから、???(未知のサービス)にリプレースしましょう。」と言う時期が着ます。その時は、SAP技術者の最後の仕事で、最後のSAPバブルとなるはずです。

SAP自身も、次の世代用のビックローンチパッケージを作っているので、まずはそれへのリプレースが始まるかもしれません。「追加開発」は負の遺産として、これからも残って行くのでしょうか?それが無くなれば、大多数のSIerやプログラマが淘汰される時代が来るのかもしれません。

時代は変わっていくものです。今が永遠に続く事はないです。
時代の変化に耐えれるよう、柔軟な頭と技術的な体力を持っておきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です