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車もスマホもないけれど

インターネットもない時代。
携帯電話もない時代。
連絡手段は家電話。

昔はそれが当たり前でした。今回はそんな時代のお話。

当時、僕は新人ということもあって一生懸命仕事してたんですよね。ガンガン残業するし、とにかく分からない事だらけで理解するのに精一杯でした。
そんな仕事ばっかりしてて、なんか軽い鬱状態になっていたんですよね。当時は心療内科とかメジャーじゃないですから。
でも、会社にはちゃんと行けてて仕事もちゃんと出来てたんですよ。ただ周りから「目が死んでるぞ」って言われてた感じです。

そんな時、僕たちが作っているシステムを展示会に出すことになりました。場所は幕張メッセ。
んで、僕まだ10代だったんですけれど(高卒なので)、その展示会に立ってお客様に説明すると言う立場になったんですよ。ビジネスショーって奴です(今でもやってるのかな?)

幕張メッセなのでかなりの来客があります。って事で僕たちのブースにもコンパニオンが説明員として立つ事になったらしいんですよ。
で、そのコンパニオン達と事前に打ち合わせしたんですよね。当時はよく分からなかったんですけれど博報堂経由で派遣されたコンパニオンだったみたいです。

その中に、僕のタイプの女性がいましてね。当時でいうと牧瀬里穂っていう女優さんにそっくりでした。
なんか「あぁ、この女性達と一緒にいれるならなんか楽しいなぁ」と思った思い出があります。

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参考:牧瀬里穂さん

で、僕の住んでいるのは神奈川の金沢八景の方。そこから幕張メッセってすげー遠いんですよ。
毎朝4時起きでした。んで、朝の有楽町の吉野家で早朝に牛丼食べてた思い出があります。

でもビジネスショー自体は面白かったです。って言うか楽だったんですよね。
1時間30分立って、1時間30分休憩と言うものです。休憩時間は他のブースを見に行っても良いですし、休憩部屋もあったんでとにかく楽でした。

今ならノートパソコンを持って仕事をしたり、スマホでゲームしたりして過ごすのでしょうが、そんなものが何もない時代なんですよ。
それはコンパニオンも同様。今ならコンパニオンは僕に見向きもせずにスマホポチポチしているんでしょうけれど、そう言うのが無いんですよ。

なので暇だから結局ワイワイお話してした。コンパニオンと楽しくお話して給料が出る。夢のような仕事でしたね。

そんなビジネスショーも3日で終了。もうすっかり鬱状態は無くなってました。で、その牧瀬里穂似のコンパニオンとも仲良くなってたんですよ。

で、最終日に打ち上げ(これも銀座ライオンと言う当時でも定番の飲み屋でした)がありました。ビールを飲んでワイワイ騒ぎます。

終わりにコンパニオン達と握手させてくれましてね、で、その牧瀬里穂似のコンパニオンがその時にそっと電話番号を書いた紙を渡してくれたんですよ。
「昭和の映画かよ!」と言うツッコミが入りそうですが、実際そうだったんだから仕方ない。

家電話は一人暮らしなら問題ないですけれど、家族で住んでいたら両親が出る可能性があると言うリスキーな行為。
でも、勇気を出して電話しました。

結果、毎日のように電話して、週末にデートの予定を入れました。場所はディズニーランドなんですよね。僕はディズニーランドに行った事が無かったのでワクワクしていました。

ちなみに、彼女は千葉に住んでおり、僕は神奈川でした。

しかし、デートの前日に会社の先輩に飲みに誘われたのです。今でこそ「用事があるので」が通用する世界なのでしょうが、当時はそう言う雰囲気では無かったんですよね。
で、寮に着いたのは23時。留守番電話の着信ランプつきまくりです。

電話して「よかったードタキャンされたのかと思った〜」って言われた時は嬉しかったですね。今ならLINEで会話すれば問題解決ですよね。

で、かなり酔っていたので、翌日早く移動できないと判断してデートの場所を八景島シーパラダイスに変更してもらいました。ここだと僕の寮から歩いていけるんですよね。
八景島シーパラダイスは当時はオープンしたばかりだったので良かったんだと思います。

楽しくデートして、その後は飲んで、まぁ色々あったんですけれどね。
その人とお付き合いすることは無かったんですけれど貴重な経験が出来たんだなって思ってます。

スマホがあれば、この出会いは逆に無かったんじゃ無いかな?って。
コンパニオンとLINE交換は出来たかもしれませんがデートを誘う事は出来なかったんじゃ無かったかな?って。

当時、僕、ウブだったので…。

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