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【書評】革命のファンファーレ

はじめに

散歩の途中で、川崎で購入しました。読んでみたかったんだけど矢向の本屋には売ってなかったんですよね。ちなみにサイン本でした。サイン本って売るときに価値がなくなる(マイナスになる)んですってね。豆知識です。
初版を刷りすぎたのか、第1版でした。

この本は、西野さんの広告についての考え方を自身の著作「えんとつ町のプペル」を実際の例として具体的に書かれた本です。机上の空論ではなく、ちゃんとしたロールモデルがあるので具体性が増します。こう言う具体性がある本は好きです。説得力が違いますからね。

全体の感想としては、西野さんは思ったより頭が良い人だと思いました。
でも、この人はお笑い芸人では無く戦略家だと。入り口はお笑いだったかもしれませんが、それも、戦略の一つだったのかもしれません。

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信用について

”信用はお金”(これは不可逆です)と定義しているのはホリエモンと一緒ですね。最近この界隈ではよく言われている事です。

嘘をつくと信用が落ちます。これは当たり前ですね。この”嘘”をTVに出ている芸能人に当てはめています。
簡単に言うとスポンサーがついている芸能人はときには嘘をつく必要もあるので信用が薄い。食レポは必ず「おいしい」と言わないといけませんからね、SNS時代、それを見て実際に行ってみたらそうでもなかったってのがバレる時代になりました。

また、タレントを「人気タレント」と「認知タレント(=テレビを通して好感度を認知されている)」と分けて説明しています。これは確かにそうだな、と思いました。
(ベッキーとゲスの極み乙女。を例に出しています。ベッキーは「認知タレント」で好感度を保っているので、不祥事があったら一気に信用がなくなってしまいました。)

また、西野さんは芸人の定義を「TVショーのエンタテイナー」ではなく、「破天荒型」芸人だと個人的に定義しています。
松本人志さんと岡村隆史さんが定義する「芸人」と西野さんが思う「芸人」は違うと書いていますが、すでにこの2人(松本さん、岡村さん)の価値観も違うので西野さんの笑いの定義はそんなに深くはないなと思いました。やはり、ツールとして”お笑い”を見ているのかな、って。

無料にする戦略

また、話題になった「Webでの無料公開」についての意見については賛成です。ただどんな場面にでも合うわけではないと言う部分がポイントですね。
絵本だからできる事、ビジネス書だからできる事などを把握する事は大事だと思います。なんでも無料で公開して良いと言うわけではないですよね。

絵本を普通の本とは違い「読み聞かせするツール」と理解したのは素晴らしい分析だと思います。無料公開しても縦スクロールで読み聞かせしにくいようにしているのも大事なポイント。読み聞かせをするために、Webの画面を全部フルカラー印刷するなら買う方が安いし便利ですからね。

「現代のお金と広告」と言う本なので、”現代”ではWebを意識するのは大きいですよね。ここら辺も冷静に分析しています。正方形=インスタ=シェアと言う考えは鋭いし、みんなマネすべきです。

流通について

また、後半では流通と元締めのギャランティーにメスを入れています。
(3000円のDVDは3000枚売らないとペイできない?プレス代は原価で27万だよ?言う非常に面白い下りがあります。)
ここ、すごく良いと思いました。販路(売るルートと顧客)を持っていれば、もっとノルマは下がるんですよね。

あとは、製品の在庫をなるべく少なくする”受注生産”。製造業では当たり前の製造方法ですが、後半の数ページに書かれているのでもったいないと思いました。この本は広告についての本ですので、販路を確保すると言う点でもう一冊本が書けるんではないかな?と思いました。

情報解禁や著作権についての考え方も広告、売上に繋がるかどうかで作戦は変わってくると言うのにも賛成です。
馬鹿の一つ覚えの商習慣が通用しない時代”って事を言いたいんだと僕は理解しました。そういう意味では思考停止や既得権益がまだ残っている世界ですからね、ここにメスを入れないとダメだと思いました。

まとめ

全体的には贔屓目抜きで面白く感じました。西野さんが嫌いと言うフィルターを取り除いてフラットな感覚で読んだ方が良いと思います。

この本のサブタイトルは「現代のお金と広告」であり、その点にフォーカスが当たってます。それは良いけど「革命のファンファーレ」と言うメインタイトルはちょいと羊頭狗肉かな?って。ここは売れる為のキャッチーなタイトルが必要なんだろうけど…うん、言い過ぎですね。

ただ、僕は”キングコング西野”を”お笑い芸人”と捉えて笑ったことは無い事を付け足して書評とさせて頂きます。

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