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屋台のラーメン

知らない街や、地元の街で飲んだ時、ときに泥酔に近いがまだ微かに記憶がある時。まだ電車の時間があるので「そろそろお開きにするか」と駅に向かうと駅前にいい匂いが。

そう屋台のラーメンである。
もう少しすると屋台のラーメンと言う職業がなくなってしまうのではなかろうか?

原因に深夜までやっている中華料理屋や牛丼屋が乱立しているってのもあるだろう。
でも、それは粋ではない。

大して味も分からなくなった酔い加減の頃に暗い夜空の外で腹のそこに入れる麺とスープ。それが旨いのである。

“夜鳴きそば”と言う言葉がある。
夜に屋台を引いて街を流しながら蕎麦を売る商売である。今で言うとラーメン。

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ホテルやスーパー銭湯によっては深夜にラーメンを無償提供する意味でも使われているだろう。

チャルメラの音の懐かしさ、なんて言うほど昔から生きているわけではない。酒を飲んで帰りぎわの駅前の屋台のラーメン。これが”クル”のだ。

基本的に酒飲みは多くの肴は用意しない。極限まで行けば塩を舐めながら酒が飲めるのである。
そんな酒飲みが〆るのに利用するのが屋台のラーメンなのだ。

藤沢の駅前の屋台のラーメン屋には非常にお世話になった。他にもいろいろとお世話になっている。酒飲みってのは駅前の屋台のラーメンを見つけたら食べずにはいられない人たちなのだ。

正直、味は二の次。たまにのびのびのラーメンだってある。体がグルタミン酸を求めているのだ。チョイスはオーソドックスな醤油ラーメンが丁度よい。

僕が子供の頃、”ドリフ大爆笑”と言うコント番組があった。その中の1割(それ未満か)には上司と部下が屋台のラーメンを食べていると言うコントがあった。
大抵は屋台の店主がヘマを犯すと言うコントなのだが、子供ながらに「屋台のラーメンは美味しそうだ」と思ったものだ。

ガッツリ飲んだあと、同じ方向へ帰る上司と部下が本音で語り合う。屋台のラーメンにはそう言う効能もあったのかもしれない。

海外ではまだ屋台が沢山ある。僕はその文化(衛生面とかは別にして)が素晴らしいものであると思っている。

場所代が要らない代わりに”店を運ぶ”労力がいる屋台。実に粋ではないか。
美食家なんて糞クラエ。酒飲んでラーメン食えれば明日も元気に生きれるのである。

最近、そんな屋台のラーメンを見ない。
若者もそう言う店を開くことは無いであろう。採算が取れないのだ。

人情もへったくれもない。無人の注文機。
社会人になって四半世紀経つ。立派な中年だ。僕は屋台ラーメンの美徳が残っていた時代を過ごせて誇りに思うよ。本当に。

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