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キャッチコピーでハードルを上げるのって如何?

日本の映画とか書籍って良作も沢山あると思うんですけれど、映画のキャッチコピーで「ラスト5分、あなたは必ず騙される」とか書籍の帯に「ラスト5ページ、あなたは必ず騙される」みたいな事が書いてあると、「叙述トリックなのかなぁー」って観点が先に浮かんでしまい映画を見ていても、本を読んでいてもちょっと穿った感じで作品を観たり読んだりしてしまう自分がいます。

そういうキャッチコピーや帯がなければ「うわーそうきたかー!」って素直に喜べると思うんですけれど事前に「あと何分でひっくり返る場面だよ」みたいな過度な期待を持って観ると「うーん、そりゃそうだけど……」とか「たいした事ないんじゃない?」ってなってしまう場合があります。
そういう意味ではそう言うダイレクトなハードル(ラスト何分とか、ラスト数ページとか……)って上げないほうが面白く楽しめた人の口コミでヒットするんじゃないかなぁーって。

例えばですが、2026年に公開された映画『プロジェクト・ヘイルメアリー』って原作本があるんですけれど、映像化が難しいとも言われていて2025年に映画化が発表された時にファン達は「予告編を観るだけでネタバレになるから出来れば予告編も観ないで観に行って欲しい」とか「原作を読んでなくても特に問題ないけれど読んでいればもっと楽しめるかも?」と言った情報しか回ってこなかった気がしています。

Text netabare kinshi

プロジェクト・ヘイルメアリーは少々難解な作品で何も考えずに楽しめる娯楽大作とはちょっと違うので観た上で期待外れだった人もいると思います。でもこの映画のキャッチコピーが「開始5分、あなたは既に騙されている」とかだった場合、それ以上に楽しめない人が多くなってしまう気がします。

2025年の邦画では『国宝』が流行りましたが、あの作品もあらすじを知らないで「歌舞伎の世界のお話」位の知識で観た方が良いみたいな事が言われていたような気がします。

Z世代と言う表現はしたくないですが、最近の人は先にネタバレをネットとかで見て納得がいく内容だったら観るみたいな鑑賞方法をしているようです。『逆だろ』と思うのですが、タイパって言葉が流行っている位なので無駄な時間を過したくないのかもしれませんね。(無駄な時間こそ豊かさの象徴なのに……と思いますが、それに気付くにはその世代は人生折り返し位になってからでしょうね)

大分前の「ネタバレ見る前に観ろ!」って作品は今ちょっと思い出したところだと邦画の『カメラを止めるな』だったような気がします。カメラを止めるなの頃はネットをちょっと開いただけでニュースサイトとか個人ブログ、Twitterとかで感想が流れてきて「この作品を完全にネタバレで観るのは不可能なのではなかろうか……」と感じた思い出があります。

例えば、映画作品とかじゃなくても2026年はサッカーワールドカップがあります。ちょうど日本戦の最中が仕事やどうしても外せない用事でリアルタイムで観戦できないので録画しておいたけれど、仕事や用事が終わって家に戻って録画した試合を観る前にどうしても周りから結果が聞こえてきてしまうと言った感覚に似ていると思います。

そういう、劇的な試合だったり、本当に「そう来たかー!騙されたー。でも面白かった」って言うエンタメは強い熱量を持つと思うので、わざわざ刺激的なキャッチコピーを付けなくてもちゃんと口コミで広がると思います。その熱量が本当は流行に繋がっていくと思うのですが、作られる流行ってのもあるので中々難しいですね。

あと、作品が広がりすぎて物語が着地できなくなった場合(良く、”風呂敷を畳めなくなった”とか言います)、たまに機械仕掛けの神と言う手法が使われたりします。デウス・エクス・マキナって奴ですね。この技法自体は乱発すると質の低下になりますが、少なくとも最後の5分でデウス・エクス・マキナ使って解決するような作品に「ラスト5分、あなたは必ず騙される!」というキャッチコピーは付けて欲しくないな。

そんな事をふと思いました。

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