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じじいの会話

入社して30年を過ぎた。コンピューター業界で30年となると技術者としてはかなりのベテラン。僕に至っては(流されるままの結果だが)大企業の基幹システムのパッケージをずっと経験する事になったので、プロパーなのに「管理で」はなく「技術で」活躍の場を貰っている。

話は変わるが世界的な禁煙の名を受けて日本の喫煙所の場所はかなり限られてきている。今のところ日本では喫煙は合法。それも”たばこ税”と言う税金まで納めていながら喫煙者の肩身は狭い。喫煙所の場所も狭い。とかく世知辛い世の中であるが、逆に考えると同じオフィスビルで喫煙者が喫煙所で”再会”する確率は増えるのである。

この前も実に懐かしい再会をした。僕が新人時代にお世話になった先輩。その人をAさんとする。Aさんは結婚を機に禁煙したと思っていたのだが喫煙所で偶然再会。しかし狭い喫煙所での長居はヘイトを買うので再会を楽しむ事はなくアイコンタクトでその場は終了。だが、リモートワークが一般化してコミュニケーションツールが増えた昨今、Aさんからメッセージが入った。

「おひさしぶりです。今度飲みませんか?」

僕が誘うのでは無く、先輩から誘われる。僕が20代であれば至極当たり前かもしれないが、もう僕もAさんも50代。その年齢になると誘われるのは強制では無くてただただ嬉しい限り。

さらに僕が新人時代によく誘っていただいた共通の知り合いの別の先輩(Bさんとする)も誘ってもらい3人で飲む事になった。僕は会議が延びて遅刻してしまったのだが久々に会っても懐かしむような事は殆ど無く最近の話題から始まっていつかは昔の記憶の答え合わせの思い出話になる……これは僕が同期や地元の友達と会う感覚とまったく一緒だ。部署が違うし肩書きもそんなに離れていないので僕は媚びへつらう事なく、ただ僕が20歳の頃に戻ったように下っ端ムーブとして行動。実はこういう時はこれが一番僕にとって楽なのだ。

1次会が終わった。1次会は禁煙だったので店を出た後「とりあえずタバコが吸いたいね」と言うことになったのだが、最初に書いた通り喫煙所の場所はなかなか無く、あっても狭い。

ちょうど3駅先に僕とBさんが良く行っていたスナックがあったのでそこに河岸を変える事にした。場末のスナック。もちろん喫煙可。僕を誘ってくれたAさんは「行った事があったかなぁ?」という感じだったが、僕ともうBさんにとっては思い出深い店。……というかもうBさんは今でも頻繁に通っているらしい。

店の場所は移転してしまったので場所や内装に「うわー懐かしい!」と思う事は無かったがママさんと当時からバイトしていた女性がいた。僕の事を覚えていてくれたみたい。さすが水商売は凄い。ついでにその店に居た常連さんからも顔を覚えてもらっていた。恐るべしプロ常連。

と、言うことでその店で思う存分喫煙して歌って飲んで終電前に解散。
僕達も若くはない。2次会のスナックではカラオケを歌っている間以外には「株をやっているか?」とか「投資の具合」みたいな昔では絶対に出ない話が出てきて少々驚いた。生々しい貯金額の話はしないが資産投資の話はする。大人の会話だ。

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お通しにフルーツが出てきたが会計はリーズナブルなお店

3人とも身体の不調を訴えるような所謂『じじいの会話』にはなっていなかったし、カラオケもみんな最近の歌を歌ったりと老いに抗っているような気はする。(勿論、当時の歌も歌ったが)

……が、周りからみたらやっぱり『じじいの会話』に聴こえるのであって、そりゃ50代の会話を「あいつら若いな」なんて思われたくは無い。って事はやっぱり『じじいの会話』なのである。

実に楽しい時間であった。
「近いうちに是非また!」
そんな感じで解散したのだが、次回の予定はまったくもって未定である。
それでこそ良いんだろうな。

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