空気階段のラジオを聞いていました。(TBSラジオ『空気階段の踊り場』2025年11月24日)
鈴木もぐらさん(太ってる方)が、宮藤官九郎さんの演劇を観に行った時に鈴木もぐらさんが座っている座席の真後に松たか子さんが座っていたとの事。松たか子さんは演者側なので、たまたま観劇に来ていたのでは無く演出上の仕掛けだったみたいです。
もぐらさんはプライベートで観客として観に行ったので相当の偶然だったみたいなのですがその時に当時、木村拓哉さんと松たか子さんがフジテレビでやっていた『ラブジェネレーション』と言うドラマがフラッシュバックしたみたいで「これが東京だッ!!」と納得した模様。

鈴木もぐら
鈴木もぐらさんは千葉県旭市の生まれなので東京を『関東』とカテゴライズすると千葉から東京ってそんなに遠く無いと思いますが、フジテレビの所謂『月9』ドラマの世界で「東京」を描いていたのかも知れません。
一方、相方の水川かたまりさんは「たまたま行こうと思ってた大学が東京にあったから上京しただけ」みたいな事を言っておりました。水川かたまりさんは岡山県出身で近くに行きたい学校や就職先があれば東京に拘りはまったく無かったみたいです。
もぐらさんはそんなかたまりさんに対して「あんまり目的持たないで東京に来ると『東京に飲まれるぞ』と」。
かたまりさんも「入学前に大学見学(オープンキャンパス?)で岡山県から東京へ行った際、新宿駅で見事に迷ってしまったんだよ。その時にすでに飲まれかけてたのかも?」と当時の感想を述べておりました。
もぐらさんは家庭環境などもあり「なんとかして今いる場所から出て成功したい(何者かになりたい)!」と言う強い思いがあったみたいで、大阪芸大中退後は歌舞伎町の風俗案内所でバイトなどを続けながら芸人として頑張っていたそうです。家族とかと仲良くするのではなく若くして独り立ちし「東京には何かがある!そして成功してやる!」と言う成り上がり精神があったのかもしれません。
(もぐらさんは高校時代から自分の学費はアルバイトで稼いでいたそうです。そういう教育方針だったそうで……)
……さて、現代の日本において『何でも無い人』が1番成功できる可能性がある場所は良くも悪くも東京だと思います。
東京と言う街は代々この場所に住んでいた家系(江戸っ子)以外は何かを夢見て上京してきた地方出身者の集まりです。
![]()
金銭的に裕福じゃ無い上京組にとっての“あるある“である「金は無いけど時間だけはあった」みたいな時代を経てそれでも何年も芽が出ないと暗に「才能のないものは田舎に帰って家業を継げ」みたいな感じだったのかもしれません。
お笑いだけでは無く、音楽、演劇、映画……サブカル経由で『何者かになる』最短の場所が東京だったと思います。なにせ当時はネットとか無いですから……。
今はYoutubeとかで有名にれる確率は高くなっていると思いますが、やっぱり都会の空気を経験しているか?は何者かになる一つの要素なのではないでしょうか?あと、自分が「何者か」になれた暁には自分が夢見た世界の人々と会ったり一緒のお仕事ができたりするかもしれせん。東京という街は夢見た世界の住人が住む街です。
東京は光と闇が共存していて”眩い素敵な生活、食事、ライフスタイル”の裏側には成功したい人達のどろどろとした人間関係、人を蹴落としてでも自分は成功したいという気持ちが渦巻いていて、それこそ油断すると”飲み込まれてしまう”街です。数年前に話題になった港区女子とかも一部は本当の成功者かもしれませんが、それ以外は”飲み込まれてしまって抜け出せないでいる”人達なのかもしれません。
例えば、深夜のコインランドリー。よくMVとかに出てくる事があるのですが、あれも一つの『東京』の特徴なのかもしれません。一人暮らしで家に洗濯機が無かったりお昼に洗濯する時間が無くて部屋で回すとうるさいので洗濯物をバッグに入れてコインランドリーへ。洗濯が終わるまでは小説を読んだり、音楽を聴いたり……。
僕は北海道にずっといても良かったのですけど就職氷河期で職が無かったので関東の会社に応募しました。(東京に)飲まれる感覚は無かったです。若かったのと高卒からサラリーマンになれたので遊び倒してやろう……と。
もちろん仕事は忙しかったですけどね。
東京で一旗あげよう!みたいな気持ちはあんまり無かったです。「若いうちに東京経験して、年齢落ち着いたら田舎に戻ろう」位の感じで。
:
結局、『何者かになりたい』若者が地方から東京に来て一旗あげて成功したら、それがまた『あたらしい東京』になる。確固たる実態はなくて、目まぐるしく成功者(勝者)のルールで塗り替えられていく……東京ってそんな不思議な街だと思います。

