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やさしいズの『牛丼最強理論』はマルクスだ。

たまたま暇な時間にYoutubeを見てたらお笑い芸人の動画が上がってきました。普通は特段好きな芸人でもないとそう言う動画はスキップしてしまうんですけれど、タイトルが『牛丼最強理論』って言うタイトルだったので興味を持ったので、見ることにしました。

僕、”理論”とか付くと、どれどれ…って見ちゃうんですよ。

やさしいズの『牛丼最強理論』。
これは僕が文字だけでうんちくを語るよりも動画を見てもらった方が良いと思います。
公式なので堂々とどうぞ。

では、ネタを見ていただいたと言う前提でうんちくを…。

このネタは、友達に銀座で寿司を奢ってもらう予定があったのに、後輩から牛丼を奢ってくれると言われ(後輩のミスをカバーしたため)、銀座の寿司を断って後輩の牛丼を選ぶと言うストーリー。
「銀座の寿司より、後輩と食べる牛丼の方が特段と美味いんだよ」みたいな安易なネタではありません。

後輩に「こいつ正気か?」と思われながら、「いかに牛丼の方が良いか」を延々と説明(=理論)するネタです。

まず、後輩は、「銀座の寿司は3万円位する。牛丼は380円ですよ!(普通3万円の方を選択するでしょ)」と問います。

先輩は、「寿司は美味い。でも牛丼がまずい訳では無い」とまずはカウンターパンチ。確かに牛丼は美味しいですものね。
「だとしたら、寿司と牛丼には同じ価値がある。つまり寿司が3万円なら牛丼も3万円。でも、牛丼は380円で食べられる。差し引き29620円も得をしているんだ」と捲し立てます。

ここら辺の説明が面白くて上手くて、マルチの勧誘とかこんな感じなんだろうなぁ。って思ってしまいました。

さて、

寿司と牛丼には同じ価値がある。

どうでしょう?同じ食べ物だし、種類が違うから比較はできない。基本的にどちらも(好き嫌いがなければ)美味しい。

この場合の「美味しい」と言うのをマルクスの資本論では、”使用価値”と読んでおります。
商品に対する消費者(顧客)の感想ですね。
ちなみに、同じくマルクスの資本論では、”価値”はそれを提供するための「労力の大きさ」を指すそうです。

確かに、牛丼店はバイトがマニュアルに沿って作業して作っております。労力としてはそんなに大きくはないと思います。バイト代がそんなに高く無いのが「そんなに労力かからないよ」ってのを物語ってますね。

銀座の寿司は商品(魚)の目利きから、シャリの保存温度、ネタの切り方、寿司の握り方と結構な労力がかかっていると思います。ホリエモンさんは「寿司屋の修行は無駄」と言っておりますが、銀座の寿司職人のバイトってのは聞いたことがありません。

牛丼と寿司を例に出すと、「”使用価値”に対して”価値”が低いのが牛丼」「”使用価値”、”価値”共に高いのが寿司」って事になります。
この場合の”使用価値”を仮に数値で表すとすると(何度も言いますが、牛丼と寿司なので、美味しさのベクトルが違います。この場合はあくまでも仮定です)

牛丼=100おいしい
寿司=100おいしい

だとして、

牛丼=380円
寿司=30000円

だとすると、値段での比較になりますので、牛丼の方が”強い”(お得)って事になります。
(ネタでは、牛丼を食べれば29620円得をするのだから、その後に銀座の寿司(30000円)は実質タダと言う理論になっています)

もちろん、銀座の寿司ってのは場所代とか”特別な空間”って言う付加価値があるので、厳密に言うと、(銀座の)寿司の方が同じ100おいしいでも”使用価値”が上がります。その”特別な空間・時間”ってのを29620円だとすると、等価になりますね。

Yasasiisbig

例えば、どんなに材料に拘って高級品を集めたラーメン(”価値”が高い)があっても、まずかったら(”使用価値”が低い)、値段が安くても客は付きませんよね。「あそこ、すげーこだわりの具材とかスープとか言ってるけれど不味いから」となってしまっては商売としては意味がないからです。
「なら、チェーン店の日高屋のラーメンは安定した美味しさだし安いからそっちにしようぜ」ってなる訳です。

深い、実に深いし、本質を突いてます。

あと、このネタの最後の方に、「29620円分のお金はどこからくるか?(ネタ上ではもう1段階被せて、129620円になってます)」について、「国債だよ。俺たちが牛丼食べまくるから、国の借金が増える」と言っております。
これ、ネタの畳み掛けに使われているひとくだりなのですが、ここまで考えてたとしたら…。

面白さよりも感心してしまうネタでした。

小中学校とかの教材にしても良いのでは?頭が柔軟なうちにこういう発想を取り入れるのは大事だと思います。

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