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芸人っていつが一番楽しいんだろう?

はじめにー芸人になりたい!

芸人さんに憧れます。
僕はラジオをよく聞くので、人を笑わせるような話術が欲しいです。

普通にエピソードトークを整理してお話しする事は普通にできるんですれども、それを”笑い”として成立させる事はできません。お笑いに重要な”フリ・オチ”が無いからです。
個人的にラジオをやりたい気持ちは今でも(勿論インディーズですが)持ってますが、無理だなぁ〜って思うのも自覚しております。知らないおじさんの一人語り(音声)を聴きたい人はいないですからね。

で、なぜ”憧れる”のか?

勿論、ダウンタウンさんやとんねるずさんに憧れて芸人を目指すとかそう言う“きっかけ”はあると思います。
おそらく幼少期に出会った芸術(お笑い、映画、音楽、小説など…)に感銘を受けて「僕もそう言う人になりたい!」って思うのでは無いでしょうか?
今でもあるのかはわかりませんが、小学校の頃に『将来の夢』ってのを書かされた人は多いと思います。
平成後期から令和にかけてはYoutuberとかも『将来の夢』にランクインしている模様で…。

でもやはり原動力は「金持ちになりたい」「モテたい」「チヤホヤされたい」ってのがあるのでは無いでしょうか?

学生時代の終わり、卒業前に進路を決める場面ってのはほとんどの人に訪れます。
とりわけ”ブラック企業!社畜!”ってキーワードが定着している今だからこそ「やっぱりサラリーマンでちまちまやってるのは俺には合わない!芸人になって自分のお笑いでビッグマネーを掴むぞ!」って人も一定数いると思います。(あ、”芸人”の部分は人それぞれだと思いますが、今回のテーマは芸人です)

そう思うのは自由ですが現実は残酷。実際に芸人になれるのはひと握りもいないです。正確には「芸人の仕事で生計を立てている人」ですかね。自称”芸人”なら誰でもなれますから。

実際問題、地方ローカル局のテレビやラジオ内の5分間位のコーナーを持たせて貰えるのすら大変な世界みたいです。
メディアに露出してギャラで生活できるようになるまではひたすらバイトに明け暮れる日々。

お笑い界のレジェンド達が見ているであろう”頂点から見える景色”を想像しながら日々は過ぎていく訳です。

地下芸人も楽しい?

先ほども書いたように芸人と言う職業には決まった定義はないので、「俺、芸人やってんだ」と名乗ればその時点から芸人です。
しかし、それだけでは仕事は入ってきません。当たり前ですよね、営業活動してないのですから。

手っ取り早く芸人界のシステムに乗るには、お笑い事務所の養成所に入る事が近道でしょう。とりわけ吉本興業の養成所(NSC)に入れば、最初はギャラは貰えない(というかお金を払って養成所に入りますのでマイナスです)ですが、ネタ見せする場はあるし、面白いと思われたら常設の劇場に立つことも可能です。

しかし、非吉本芸人、とりわけ関東地方のインディーズ芸人さんには常設の劇場は無いですし、劇場まで持っている事務所はないです。

なので、舞台に立つと言っても、自分で劇場を押さえて、自分でチケットを売ってライブを披露する。まぁ、インディーズミュージシャンと一緒の作業をしなければいけません。

そう言う人たちを関東では“地下芸人””インディーズ芸人”と呼んでいるそうです。
貧乏は当たり前。バイトを掛け持ちして消費者金融のお世話になりながらの自転車操業の中で「何くそ!」とネタを書き、家や公園で練習してお笑いを披露していく。
決して楽ではないし、辛い日々が続くと思います。

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(そう言う関東のインディーズ芸人界を盛り上げるべく立ち上がった集団『K-PRO』と言うのがありますが長くなりすぎるので割愛します)


参考
『アメトーーク!』がK-PROライブ芸人企画に至った“素晴らしき”内情|日刊サイゾー

でもそう言う時代(地下時代)を指差して「こっちは今でも楽しい毎日が続いているよ。降りておいでよ、ぬるま湯に」ってエピソードも聞きます。

僕が大好きなアルコアンドピースは2022年にやっとTVでも多く見かけることになるくらいに売れましたが、地下芸人時代の盟友であるモダンタイムズさんは今もまだなお地下のままです。年齢はもう40台中盤。

アルコアンドピースのYoutubeチャンネルでモダンタイムズさんとの対談の動画が配信されているんですけれど、モダンタイムズさんは「楽しいぜぇー。地下の世界は」と今でも言っております。

自分の家がなく、後輩芸人の家を転々としたりファンの女の子の家に住ませてもらったり…。
(ファンのヒモになったり…まぁ手を出すとかそう言う奴ですよね)

それでも『楽しい』と話すモダンタイムズ。楽しいのは永遠には続かない事を知りながら話している感じもして見ていてちょっと悲しくもなります。

また、オードリーの春日さんもずっと売れなかった時代(M-1ブレイク前ですね)に若林さんから「もう売れないから解散しよう!」と言われた時に「このままでも私は毎日楽しいんですけれど、それでも解散しないとダメですか?」みたいなニュアンスの事を言っていたそうです。

やっぱり売れなくても、芸人やってれば楽しいのでしょうか?

ブレイクすることによる弊害

きっかけは何にせよ(ネタだったりドッキリだったり、それはもう何でも)突き抜けたら(ブレイクしたら)売れっ子になります。
どうも徐々に忙しくなってきた…と言う傾向はお笑い芸人の世界では少ないらしく、突然一気に忙しくなるそうです。よく言われる例えで「賞レース(M-1)で優勝したタイミングからマネージャーの携帯が鳴り止まない(仕事が殺到する)」と言うのがあります。

一気に忙しくなると言うことは、今までプライベートに過ごしていた時間が一気に無くなる事を意味します。
まぁ、それは仕方がないですよね、お金持ちになれますから。

ただメディアへの露出が突然ものすごい事になると、”テレビやラジオを見聞きして雑な切り抜き記事を書く小銭稼ぎライター”の餌となり、裏も碌に取らないような記事に繋がり、ヤフトピと言う魔界に放たれ、沢山の人が匿名の名の下にdisられます。

Internet enjou sns man

それも辛いですよね…。有る事無い事勝手に書かれて、勝手にコメントがついて勝手に変なイメージ付けられちゃうなんてたまったものではありません。

昔の芸人さん(2000年以前デビューくらいと仮定しましょう)とかはネットがない時代からお笑いをやっていたのでSNSとかをやってない人が多いと思いますが、最近の芸人さんはSNSを前提としてやっている部分もありますからね。今の時代は”エゴサ”したら分かっちゃいますから。

また、ブレイクあるあるの「アマチュア時代からずっと応援していたのに、ブレイクしたら私たち古参ファンのことを捨ててしまった。マスに迎合してしまい昔の精神を忘れてしまった」と言われるのも厳しい。

売れるためには捨てないといけないものが沢山ありすぎるのも事実です。

ミュージシャンとお笑い芸人の差

一発屋という言葉があります。一発ギャグでも良いですし、すげー売れた1曲でも良いです。
「どうせxxなんて、一発屋だろ?」って言う意見に対して、「一発当てられただけでも凄い才能だよ」って言うのがクリエイター側の意見のようです。

ほとんどの人がそう言うものを生み出せずに消えていく訳ですから。

ミュージシャンは名曲を作れば、何回その歌を歌っても盛り上がります。勿論、新曲を作り続けないといけないプレッシャーはありますけれど、ライブでは名曲をやればやっぱり盛り上がります。定番曲って奴ですね。ミスチルだったら”イノセントワールド”だったり、そう言うのです。

ただ、お笑い芸人の場合は、そうはいかないんですよね。単独ライブを開いたとして、過去のネタをする事は無いんです。相当売れた芸人は”傑作選ライブ”として過去のネタだけを集めたライブを開くことも可能ですけれどそこまでいける芸人さんは稀です。

なので、お笑い芸人は何十年間も新しい作品(ネタ)を作り続けることはほぼ無理です。できたとしても、完全に時事ネタを埋め込めば成立するフォーマットが成立されていたりするパターンだと思っています(爆笑問題さん、ナイツさん等)

アルコアンドピースも”忍者フォーマット”と言う強烈なメタ漫才のフォーマットを持っていますが、これは乱用不可なので売れた現在はできないです。

芸人なのに公務員のような堅実的な生き方

アルピーの酒井さんは「月50万をずっと維持したい。それが一番いい。ただ、最低限その金額は必要」とQuickJapanのインタビューで話してます。


参考
アルピー酒井健太「月50万が一番いい」野心なき天才、独自のキャリアと“譲れないこと” – QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

月50万とはおそらく手取り50万円の事でしょう。
サラリーマンでも一定の役職に就けば手の届く金額です。

「夢がないなぁー」と思うかどうかは別として堅実だなぁ、と。
酒井さんは奥様とお子様と3人で暮らしております。噂だとベイエリアに住んでるのだとか…。

そうなってくると月50万円は最低限必要になってくるのでしょうね。リアルすぎる数字です。

でも、そんなに忙しくなく、それでいて「自分の笑い」で生きていける。ブレイクしてるのに…相方の平子さんは稼ぐ為にとんでもなく頑張ってる感じがしますけど、酒井さんからはその雰囲気があんまり見えないんですよね。

酒井さんってテレビでは全然ハネないんです。実力を出してないのか、カメラが多数あると緊張して上手く話せないのか分からないんですけれど、そこら辺まで含めて”酒井健太。月50万円”なんですよ。

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酒井健太、月50万。

それを月100万円にするべくテレビで無理をするのも違う…酒井さんは「頂点の景色」を見ることを諦め、庶民として公務員のように堅実的に生きる事を選択したのかもしれません。

ただ、これからは、そう言う”堅実な芸人”が出てくる時代にもなるのでは?このインタビューを読んで思いました。

おわりにー地下芸人というモラトリアム

僕が思うに、地下芸人って楽しいとか言いますが、それはテイのいい言い訳で、モラトリアムをただ延長し続けているだけなのかな?って。

僕にとって、高校時代は社会に出るまでの最後のモラトリアムでした。楽しかったです。正直言うと終わってほしく無かったです。あの仲間で、就職せずにバイトとかしながら生活して、いろんなインプットを得て、あーでもないこーでもない言いながらも何かを作り出す…そんな時代がずっと続けばなぁ〜。なんてふと思うこともあります。

バナナマンの日村さんって設楽さんの能力が高すぎてブレイクして安定した地位まできたけれど心の中では終わらないモラトリアムを過ごしているのではないかな?と思ったりします。

バナナマン・日村は終らないモラトリアムを過している。

 

金は無かったけれど、時間だけはあった。楽しかった。

地下芸人さんはこのモラトリアムのまま引退していくのでしょうか?このモラトリアム期間で経験した大量のエピソードを武器にそこそこの地位で”月50万円もらえる芸人”になるのでしょうか?

答え合わせは10年後くらいですかね…。

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