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SIerのジレンマ(タイマテのジレンマ)

SEを生業にして生きてます。人生の半分以上。20年以上をSEとして生きてきました。もちろん単純なプログラマだった時代も含めてですが。インターネットがない時代からSEをやってきたいわば化石です。でも、今でもアンテナを張って、現在利用できるツールを駆使して仕事をしています。

そういう「意識高い系」(って言うのかな?)は、単純作業を嫌う傾向にあります。でも、やらないといけない時だってある。プロパーであればあるほど、単純作業をするものだったします。今日はその時の生産性のお話。

例えば、1日を8時間と仮定して、上司から、「xxやっておいて。」と言う作業が来たとします。あなた(僕)は、まず作業時間を見積もりますね。「定時までにはできます。」「今日中にはなんとか…」なんて回答をします。(最悪のケースは「明日の朝までにはやっておきます。」です。Welcome 徹夜。)

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生産性の高いあなたならどうするでしょう?「定時までにはできます。」と言ったからにはある程度目処が立っているのでしょう。いきなり着手しなくても、準備ってのは結構あります。頭の中で工程を立てて、無事定時までには終わらせる。終わらせると言っても上司に対するレビューがありますから、2時間程度の手直し時間を取るとしましょうか?うまくいけば定時で帰れます。指摘を受けても2時間の残業。これは10年以上この業界にいて、向上心があれば大抵身につくものです。

「ワーク・ライフ・バランス」なんて流行っているではないですか。言われた仕事を定時内にこなして、定時後は自分の生活に当てる。

でもね、そういうのができない人もいます。愚直に色々考えて、コツコツと資料を作成していく。僕はそういうタイプではないので、想像はし難いですが、今まで仕事をしてきて、世の中にはそういう人が多いことに気が付きました。

そういう人って、終電間際まで残業するんですよね。実はこれがプラス要因になったりします。一つ目は残業代。これは直結してきますよね。遅くまで仕事をしたから残業代がつく。会社によっては、みなし残業だったり、残業時間制限があったりするでしょうけれども、ある程度の残業代は確保できる。財布潤うって訳です。二つ目は上司からの見た目でしょう。よほど成果主義でない限り、「あいつ、今日も遅くまで頑張ってるな。」てなもので評価もうなぎのぼりです。(成果は別として。)

SE業界には二つの格言があります。「暇だけれども、遊ぶ金がない。」「金はあるけれど、遊ぶ暇がない。」浪費癖の激しい独身のSIerはこのどちらかに置かれます。

さて、話を最初に戻して、10と言われた作業を定時内でこなす部下。(但し、定時で帰る。)と、終電まで頑張ってこなす部下。(但し、レビューは翌日)あなたなら、どちらを評価しますか?

確かに、いささか両極端な話をしてしまいましたが、世の中そういう風にできています。ライン工でもない限り、営業にしても、SIerにしても、個人の生産性っていうのは極端に違います。大企業はそこをボーナスで査定しますが、月給はあまり変わってこなかったりします。

僕は上司になった事がないので、わかりませんが、僕が上司なら、定時内でこなす部下を評価し、プラスアルファの作業をさせます。プラスアルファを翌日にやっても良いし、そのための準備で残業をしても良い。でも、結果的には、セコセコ残業をしている人より人生は楽しいはずです。(給与を除けば。)

残業をして守銭奴になっても楽しくないでしょう。
僕なら、定時でちゃんと仕事をこなす方に多い給与を与えたいです。時給換算ではないはずのこの業界。実は時給換算だったりします。

アメリカではプログラマーが高給取りだと聞きます。生産性の対価として高給を与えているのでしょう。日本人のマネージャーはいつ、気付くのでしょうか。

僕が現役の間には無理でしょうね。
がっくし。

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