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二人のスティーブ

僕は、スティーブ・ジョブズに憧れています。それは現実です。あんなにギーグ(とあえて言います)達をときめかせるのはスティーブのプレゼンテーションであったし、今は亡き「One more Thing.」であったと思っています。あの最後のプレゼンは本当に魔法にかかったようだった気がします。
(定食屋に例えると、ごはんが出て来て、味噌汁が出て来て、メインディッシュ(少々弱い)が出た後、「ああ、これだけだよね。」って思ってたところに「はい、出来たよ、あとこれね」っていって頼んだ物以上のメインディッシュがさらに出る感じ)

スティーブ・ジョブズは自身のプレゼンテーションで最大限の発表をしたかと思えば「そういえば、もう一つあったよ。(One more thing.)」と言って大々的なプロモーションを行いました。それもが、半分以上は、「本日から」と言うすぐに手に入る喜び(エクスペリエンス)だったんですよね。
それは、IT業界の革新的なイノベーション(iPhoneなど)であったし、革新的な技術でったと思います。また、当時の徹底した秘密主義もジョブズ時代の物ですね。

当時のジョブズのプレゼンテーションを聞く人は「One more thing.」を求めていたのかもしれなかったと思うんです。それがないと「今回は無かった」とか総評で書かれたものです。
今で言うところのライブでのアンコールがそれに当たるのでしょうね。

ジョブズ在命時にはOne more thing.が多かったです。本当に驚かせたいものは最後にさらっと出す。ジョブズの美学だったのかも知れません。
ジョブズ存命時の最後のエクスペリエンスはiCloudだったのではないか?と記憶しています。当時「え?今更クラウド?」と言われたかもしれませんが、外出先でiPhoneを使って家ではiMacを母艦としている僕にとってはiCloudは今では欠かせないサービスとなっています。本当にデバイスを意識しない便利になる世界を作ってくれた。そう思ってます。10年前には考えられなかった!

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ジョブズ亡き後、僕が一番関心したのが、WWDCでの新言語”SWIFT”の発表だったと記憶しています。今までのObjective-Cを排除し、モダンな言語にするSWIFT。僕が思うにずっと非公開でいきなり出て来た印象。かつてのAppleのスピリットを思いたまさせます。それも開発言語をいきなり新しく発表するとは。それには当時の僕も深夜に興奮しました。デベロッパー達にとってはiMac(ボンダイブルー)以降の驚きだったかもしれないのではないか?と思うほどです。(Intelプロセッサーに変えるというのも大きな事件でしたが)

しかし、今現在、Appleはマッキントッシュ発売時のような海賊旗を掲げていないです。ただのハードウェア会社であり、そのハードウェア上で動くOSを作って提供している会社に成り下がっている感じがします。次のイノベーションが見えてこない。残念ながらそうなのです。
直近で言えばproduct(RED)のiPhoneがありましたけど、これは今迄なら「サイレントアップデート」と呼ばれる部類でしたね。

勿論、反論はあると思います。ジョブズがいない時代にMac OSを3rdパーティに解放した時期があったのも事実です。日本ではVictorが乗りましたが、ただただスピーカーにこだわっただけで、結果は語るまでもない様子。
マイクロソフトにも言えるのですがそのハードで限界までの性能を出すOS(オペレーティングシステム)が大事なのです。
AppleはハードとOSを一社提供する事で最大の恩恵をもたらしていると思います。
逆にWindowsは世界一ユーザーに使われているOSかも知れませんが、ハードの構成は大部分メーカーや自作ユーザーに絞られるために、最大スペックを出せないでいると思います。これがMicrosoftが天下を取ったのと同時にスペックのジレンマに陥りOSの完成度を高められなかった(低スペックでも動くようにした)結果だと思います。

同じような技術立志伝にHONDAの本田宗一郎が挙げられて、何かと比較されることが多いのではないでしょうか?ベクトルは違うかも知れませんが破天荒系統として。本田宗一郎は技術の神様ではあったが、当時の経営の神様藤沢さんがいなければとっくに倒産していたと言われています。それくらい、技術と経営に任される立場は重要であり、バランスを保つのが重要なのです。

同じようなことが当時のAppleにも言えます。スティーブ・ジョブズは決して技術屋ではなかったのです。ある程度の知識はあったけれど理想に近づける為に色んな人を使いました。でも、経営者でもなかった。言って見れば夢想家なのだと思います。ジョンレノンとかと同様。何かを変える意思を持っている人は何かの「道具」(ツール)を使ってそれを実現する。(ジョンの場合は音楽でしたね)

その道具こそが、もう一人のスティーブである、スティーブ・ウォズニアックなんです。彼は決して人前に出ようとはしなかった。電子工学も分かってプログラムもかけた。なので結果的にジョブズの理想を現実化できたんだと思います。ウォズがいなければジョブズはただの夢想家の詐欺師で終わった可能性だってあるんです。

でも、ウォズニアックは今でも積極的に表舞台に立とうとはしない。でも、彼のようなエンジニアが今の日本に必要なんだな、って思って欲しい今日この頃です。

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