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辛いけど立派な恋だった

何年前でしょう?淡い恋の話。
僕が20代ですね。高卒なので他の人(学卒)よりも4年以上働いていたわけです。高卒のプライドからか残業と勉強で舐められないようにしていたんですよね。
でも、ちょいと仕事が辛かった。大丈夫なんだけれど何かが足りなかったんですよね。

その時の会社は毎週月曜日の朝に朝礼がありました。僕はギリギリに会社に行ったんですけれどちょうど新人紹介の時間でしてね、遠目にみてすごいタイプの人だったんです。目が悪かったので「これは勘違い?」と思ったんですけれど、近くにいったらもっとタイプでした。

ちょうどその子は僕が参加しているプロジェクトに配属されるとの事でした。僕は指導する係。公私混同とは言ったものの、まぁ楽しい人生になったわけです。

その時、僕はちょいとモテてたんですよ。彼女はいないし、そう言う女性はいなかったんですけれど、顧客先の他のフロアからも僕を観に来る女性がいたみたいです(後にお客様から聞きました)

そんな状態なんですけれど、僕はその子に魂を吸い取られましてね、とにかく頭の中の全てがその子で支配されていたんですね(もちろん仕事はしていました。恋愛という意味で、です)。
その頃、aikoさんのファーストアルバムが出た時期(今、それを思い出して調べたら1999年でした。僕が24歳の頃ですね)で毎日それを聴きながら出勤していました。
そのうちに僕の乗る電車とその子が乗る電車が(偶然)一緒である事がわかりましてね、これが僕の出勤のモチベーションになりました。

その子と同じ電車とは言え、その子と会えるのは目的の駅を降りてからお客様先に着くまでの5分間。途中にコーヒー屋がありましてね、たまにそこで一緒にコーヒーを買ってました。

その子は飲み会にはこない人でした。僕は何気なく話している間にその子に彼氏がいることを知ってしまったんです。毎日仕事が終わった後電話しているそうで。
でも、僕は諦められませんでした。諦められなかった理由はその恋愛が”遠距離恋愛”だったって事です。彼女がこの街に来てからまだ半年。”遠距離恋愛は続かない”。そういう先輩の格言を唯一の望みに生きていたんです。

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ある日、電車が止まって帰れなくなりました。思い出しました、i-modeが始まった年です。これも調べてみると1999年だったので、記憶は間違ってないみたいです。
同僚がi-modeが見れる携帯を持っていて「これで電車情報がわかるから電車が動くまで飲んでよう!」と言ったんですね。その時にその子も来ました。
その子はちょっと機嫌が悪くて聞いてみると彼氏と喧嘩したとの模様。
その時の飲み会は(僕個人としては)とても楽しかったです。

そのうちに彼女を別のプロジェクトへと移すと言う話が出てきました。当時、僕は平社員だったんですけれど、一人でプロジェクトを回していて(今思ってもなんでそう言う体制にさせたのか謎ですが)、部長や本部長から「お前はすごい」と飲み会で言われ続けていたんですよね。なので、課長レベルの情報が僕に入ってきていたんです。肩書きも何もない僕の元に。

ある時、プロジェクトの飲み会が赤坂で開かれました。その子も勿論参加。でも僕は仕事が遅くなって(一人で残業していたので)遅れての参加。
僕の席はおそらく、僕を褒める部長と本部長のテーブルだろうなと予想していました。さらに悪いことにその日は中華料理だったので円卓です。
で、諦めながら遅れて行ったらその子の隣の席が空いていたんです。と言うか正確には同僚が空けてくれていたんでしょうね、きっと。
そう、僕がその子を好きな事はみんな周知の事実だったんです。
嬉しかったなぁ。

その後、その子が別のプロジェクトへ行く事が確定しました。
そこで僕は思い切って告白することにしたんです。遠距離恋愛の彼氏がいる女性に告白する。ゲスな男がすることです。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてホゲホゲって奴。
でも、ここで告白しないで離れてしまうのはきっと自分が後悔するなと思ったんです。

結果的に2回告白しました。
勿論、2回ともふられました。

でも、良かった。
自分を納得させるまで告白して諦める事ができた。

結果的に5年間位その子が好きでした。僕の20代はその子に埋め尽くされてました。

僕にとっては、
“辛いけど立派な恋だった”
と思ってます。

別にハッピーエンドではないです。この話にオチはありません。でも、僕はこの恋を誇りに思ってるんです。
今のように軽い気持ちでLINEの交換をできる時代ではなかった。スマホではなくて携帯の時代。その時代の恋って辛くて切なくて、淡くて儚かったなぁと思うのです。

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