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ザ・スリル(エロ本編)

2022年、”AV新法”なる法案が通ろうとしています。正直、この法案が通ったとしても、この新法が出来るきっかけになった根本原因は解決しないと思っております(簡単に言うとFC2PPVの様な別の(海外などにサーバーがある)媒体に流れるだけ)

と、言うわけで今ではネットでエロ動画が見られる時代です。最近の若い人はエロ動画もスマホで見るのだとか……。

まぁ、極論を言うと未成年でもスマホを持ってれば見れちゃうんですよね、”エロ”が。変なアプリ入れなくてもブラウザがあれば見れますからね。
各ご家庭でここら辺をどう考えているかはわかりませんが、これを『良い時代』と捉えるか「安易にエロが見られる事によりエロにたどり着くハードルを経験する機会を失うのはちょっと……」って捉えるのかってのはあるのではないか?なんて思っております。

僕が学生(中学生、高校生)の頃ってのは”エロ”へのハードルはもの凄く高かったんです。なのである意味スリルも想像力も養うことが出来たと思っております。

例えば、ちょっとエッチな深夜番組(11PMやトゥナイトなど)をいかに親の目を盗んで見るか?とか、ジャンプに連載されている漫画(例えば、桂正和先生の作品など)の絵から本物に対する妄想を膨らませたものです。(ちなみに僕が好きだったのは、HUNTER×HUNTERで有名な富樫先生の『てんで性悪キューピット』という作品でした)

まぁ、少年誌のエロには限界があります。次のステップはエロに特化した本、”エロ本”です(当時はまだ動画と言うものがほとんどありませんでした)。
まだまだ、街の本屋に元気があって一つの街に何店舗もあった時代。でも人気店でエロ本を買うには勇気がいります。リスクも高いです。

そうなると、町外れにあるそんなに品揃えの多くない本屋。よくある「じいちゃんとかばあちゃんが店員で、はたきを持って本をポンポンと叩いている」みたいな店がターゲットになります。
とは言えいきなりの入って即購入は危険。なので、何回もその店に通い本のレイアウトや、混んでいる時間帯、空いている時間帯をリサーチ。
さらに、僕自身中学生とかなので、夜に買いに行く場合はそれなりの理由が必要です。
(ちょっと散歩いってくるなど……)

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いざ、購入が決定するとなると事前にラインナップを確認します。これが大事。学生がエロ本を買う場合にエロ本コーナーの前で熟考するのはあまりにも無策、愚策です。
理想はノールックで1冊選んでそのままレジ!のパターンです。なので事前にターゲットを決める作業が大事になります。これも数日かけて行うレベル。購入作戦当日にはすでに売り切れていたり翌月号になっている事もあります。

いざ、購入に成功してもミッションコンプリートにはなりません。それを家までばれずに持って帰り、家族には見つからない場所に隠す……ここまでがひと作業です。

これらの作業、全てにおいてスリルがあります。「エロを入手するのは簡単ではない。とてつもないスリルの連続なのだ」と子供ながらに思いました。だから入手したときの高揚感・特別感は格段でした。

もちろん、今は手軽に手に入る時代なので「別にそんなに苦労する意味がわからん。コスパ悪い」と思われるかも知れませんね。僕も手軽に手に入るものってのはそれで良い風潮というのは否定しません。

でも、案外苦労して手に入れたものってのは愛着がわくものなのですよ(まぁエロ本に愛着が沸くかは難しいですけど)。
Amazonでポチれば翌日に置き配してくれるのはもちろん便利ですが”秋葉原とかのいろんな店を一日中巡ってやっと手に入れたようなガジェット”とかは愛着が沸くと思います。

ギターとかもそうなんじゃないかな?なんて思っております。

自己責任で行動しリスクとスリルを味わった結果で入手した経験。それって結構大事な事だったりすると思いますよ。

 

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